SEO対策もSNS発信を使ったWEB集客では、事前準備で8割が決まります。
結論から言うと、サイトの構築時に策定されたマクロ図面および全体の設計図こそが、成否のカギを握ります。
巷で、使われるSEO対策という言葉は非常に幅があります。
中には、本質を理解しないまま「成果を出したかったら独自性を持った記事を書きましょう」とか、「記事にキーワードを適切に配置しましょう」「タグ付けを適切に」など、ミクロ単位の概念に矮小化して捉えてしまう傾向があります。
しかし、本当の意味でのSEO対策とは、もっと広く深く捉える必要があります。
例えば、膨大なリソースでキーワードを駆逐しようとしてくる業界大手と正面からぶつかる検索上位競争においては、記事のクオリティを担保するのは最低条件です。
また、サイト構造全体から不要なCSSやファイルを削除し1Byte単位での軽量化をはかる、画像のWebp化する、サイト全体のCoreWebVitalなども最低条件となります。
Googleの評価はもはや、記事単体ではなく、サイト全体構造、運営者情報、SNSとの繋がりなど、もはやリアルな世界を捉えるがごとく、E-EATという基準のもとメディアを精密に精査しています。
熾烈な検索競争で確実に上位を獲り切るためには、全体の網羅的設計図、つまり複層的な視点からSEOの評価は決まっていることを理解する必要があります。
実際の成功事例
弊社が携わらせて頂いたメディアの成功事例をご紹介します。
SEO対策で弊社にご相談頂いた企業様は、ガジェット系のメディアでスマホやアプリなどをコンテンツとして、大手メディアと競っておられました。
しかし、大きなボリュームがあり需要も高い、大手も軒並み参入し競合がひしめいていました。
当然、適切なキーワード選定を実施して、他にはない良い記事を書いても大手が類似記事で後出しじゃんけんで張り合ってくるため、すぐに順位競争に巻き込まれアクセスは安定せず、打開策を四苦八苦しておられました。
そこで、提案させて頂いたのが、iPhone特化戦略。
これまで取り扱ってきたAndroidやガジェット関連の情報は切り捨て、徹底的にiPhoneを取り上げる戦略です。
その際、実施した作業は以下の通り。
まず、専用のツールを使用して、世の中にあるiPhoneのキーワードリストをすべて取得します。
当時、エクセルですべてのファイルをダウンロードすると、エクセルの総ファイル数は実に5627ファイルとなりました。
手動でダウンロードするだけでも、至難の業ですが、RPAなどを活用してダウンロードの自動化を実施、パソコンを日夜動かしてファイルを蓄積していきます。

※こちらが当時の作業データです。
5627にもおよぶ、各ファイルに中身にはこのように検索ボリュームが表示されています。

次に、これらのキーワードが詰め込まれた5627にもわたるエクセルファイルを、マージ処理(統合処理)を実施し、iPhone関連の市場の需要すべてを可視化できるiPhoneのファイルに仕上げていきます。

5,627ファイルすべてをマージ処理した結果、エクセルの行数は117,775キーワードに及びます。
そして、当然、この中には日本で需要がなさそうな言葉や、コンセプトと外れる言葉もありますので、適宜クレンジングをしながら、データを整えていきます。
使えないキーワードをスクリーニングし、コンセプトに合わせてクレンジングしていった結果、18,798キーワードが記事執筆の候補として残りました。

この時点で18,798記事分の執筆候補が生まれます。
次に、これら18,798個のキーワードを今度は、キャリア毎・デバイス毎・用途毎にマインドマップで処理をかけていきます。
主に顧客の意図やターゲット需要などを踏まえて、各島を組みあげ、iPhoneのキーワード傾向をまとめていきます。

これらのすべてデータが整った段階で、市場需要が俯瞰できるようになります。
「地球儀を俯瞰する外交」と言う言葉がありましたが、まさにこのマップをみると、どこにどういった需要があるか手に取るように理解できるようになります。
そして次に、このキーワードリストをもとに、どの層に対して、どういったアプローチをしていくかというメディアの全体戦略およびターゲットペルソナを定めていきます。
全体方針が整ったら、サイトのデザイン・コンセプト・執筆順などを調整して、あとはライター陣が開示された全体設計図のもと、サイトに良質な記事を投下していくのです。
結果的に、サイト全体が綿密に連動した専門性に特化した、競争力に優れた筋肉質のサイトが出来上がります。
当然、ターゲットユーザーからすれば、サイト内すべての記事が自分にとって興味ある記事で埋め尽くされているサイトということとなります。
滞在時間・周遊率なども軒並み向上し、リピート率も平均値を遥かに上回る好結果を生み出し、安定して月間100万人が訪れるミリオンサイトへと成長を果たしたのです。
SEO対策は、ショッピングモール建造のようなもの
上記の内容からお分かりいただける通り、SEO対策で成果を狙うメディアは、いわばインターネット上にショッピングモールを建設するような作業です。
「とりあえずメディアを立ち上げました、さて、どんな記事をいれていきましょう」では、すでに競合に立ち遅れているのです。
例えば、実際のショッピングモールの建設計画においても、高齢者が人口の8割を占め過疎化が進むエリアに、若い家族向けのショッピングモールを建設しても、集客に苦戦するのは建設前から理解する事が出来ます。
しかし、インターネットメディア構築においては、こういった市場性などを理解せず、とりあえず走り出して、後付けで何とかしようとするメディアが後を絶ちません。
まず、検索上位を獲ってSEOで成果を出す場合には、大前提としてどこに需要があるのかを理解する事が重要です。
また、事業の目指すべビジョンの先に、市場性があるかも見極める必要があります。
上記のように、全体戦略(ショッピングモールの戦略や立地)そのものが適切でないにも関わらず、中のテナントレベルで店員の接客レベルをあげようとか、品揃えを充実作用と頑張っても、残念ながら成果は限定的です。
土台にある、入口から入ってくるお客様の母数が確保できないことには、期待する成果を上げる事は叶わないのです。
もちろん、ここでの店員の動きや、品ぞろえという表現は、個別記事の比喩です。
当然、個々の努力により打開できる点もありますが、
市場原理に反した全体戦略のまま、個別記事だけを頑張っても、市場全体を変える力にはなりえないのです。
SEOは構築設計が全ての出発点、安定して成果を出すには、事前の準備を確実に実施する事が欠かせません。
執筆者
メディアワークス株式会社
舘口知弘









