ampとは、webページの高速表示の規格
web制作の現場では、amp(アンプ)という新規格がリリースされています。
正式名称はAccerated Mobile Pages、従来のホームページのプログラミングとは、別規格として設定が必要となります。
最大のメリットはスマホ閲覧時の「高速表示」です。
回線速度の安定しないスマートフォンからでも、即時に高速読み込みを行い、高速表示ができるという事が最大のメリットです。
SEO(検索上位表示対策)からの視点は、ampに対応させておいたほうがアクセス数もアップし、検索にヒットしやすくなります。
しかし、ampはまだ策定されて日の浅い新規格であり、相応のデメリットもありますので表記していきます。
プログラム工数の増加
冒頭でも記載いたしましたが、ampは別規格としての設定が必須です。
高速表示を実現するためには、それを阻害するHTMLコードの使用がプログラムレベルで禁止されています。
ページ表示を遅くする要因を排除したプログラムが必要なのがampなのです。
Amp対応のページを制作した後は、ampテストを行い、導入が成功したかのチェックを行いますが、正式なプログラムルールに則ったものでないと、ampテストにはじかれてしまいます。
文法にほんの一箇所でも、ルールに則していないコードがあればampページとしては認められず、検索結果に表示されません。
ルール通りの記載すれば高速表示の恩恵を受けられますが、java Scriptが使えない、プラグインが使えないなど、得るものの替わりに制約がとても大きいのがampページです。
Webデザインが変わってしまう。
ampページのプログラムルールは独特という記述をしましたが、通常は使えるはずのJqueryやプラグインなども基本的には利用ができません。
また、ホームページを制作・デザインしていくうえで、使用するはずの各種プログラムが使用できない場合が多いのもamp対応の難しさです。
例えば、サイト制作において、ここはJqueryで動かす、ここはプラグインを使用すると計算して構築していくのですが、ampは全く別の要領でデザインを計算していかなければなりません。
ホームページ制作の延長・オプションとしてではなく、独立したページとしてのamp構築が必要という認識のほうが正しいと思います。
サイト管理が複雑化する
Amp対応後には、管理も重要になってきます。
ホームページの延長としてではなく、ampページは単独で存在しているものだからです。
もし、ホームページでデザイン変更などがあった場合は、パソコン表示用、スマホ表示用のスタイルシートを編集・更新します。
その際、ampページも制作していた場合は、ampページ専用のスタイルシートも編集・更新を行う必要があります。
望み通りのデザインになっているのか、チェックして、細部調整をかけますが、パソコン用のサイト・スマホ用サイトに加えて、ampページまでチェックが必要となります。
つまり、1ドメインで3サイトの表示チェックが必要となるのです。
Webアクセス分析が複雑化する
ホームページ制作後には、専用のソフトを使用して、アクセス分析を行っています。
どこの地域からアクセスされているか、アクセスはスマホからか、ページ滞在時間は何分か、何ページ見ているのか、検索ワードは何か、などかなり詳細にわたって解析を行い運営に活かす事ができます。
通常は、1ユーザーが複数ページを閲覧した場合は、同一セッションとみなされ「1人あたり何ページ見たか」に反映されます。
しかし、amp対応を行っている場合は、ampページから通常ページにアクセスが飛んだ場合は、別セッションとみなされてしまう場合があります。
つまり、1ユーザーがampページと通常ページを見た場合は、「1ユーザーが2ページ閲覧した」という事ではなく「2ユーザーが1ページずつ見た」という不正確なデータになってしまう可能性があります。
この問題に関しては、googleフォーラムでも取り上げられており、改善が進んでいるようです。
amp実際の運用事例
なお、クライアント様からのご依頼があり、amp対応ページを実装したケースがあります。
壁を乗り越えれば、多くの可能性を秘めた新規格です。運用実績にご興味のある方はお気軽にお問合せください。
まとめ
ここまでamp対応についての考察を述べてきました。
ホームページ制作会社として、適切な提案をお客様にできるよう最新技術を導入しています。
今回のamp対応に関しても、フィードバックが繰り返され成熟していくものであり、一長一短といえるでしょう。
また、東南アジア圏や世界の新興国など、通信回線の敷設状況・通信品質がよくない国からのモバイルアクセスを見越したampページですが、
世界の中でも通信品質が優れている日本でどこまで普及が広がるかは未知数です。
ただ、アクセススピードが速くなり、検索上位表示で有利になるのは間違いない事実といえます。
amp導入のご相談・ご興味がある場合はお気軽にご相談ください。